2030【18】
2030【17】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
僕「さ…佐倉さん…💦」
佐倉「あ…💦村長さん、こんな遅くにどうされましたかぁ?💧」
三成「お主こそ何をされておる‼︎」
佐倉さんとその他の男性達は手に大きな袋を持っていた。
僕「佐倉さん、その袋は…」
佐倉「いやぁ…害獣に取られる前に野菜を収穫しようとしてなぁ」
次の瞬間、他の男たちは袋を投げ捨てて足速に去っていった。
僕「こ、これはどうゆう事ですか💧」
佐倉「………」
三成「村長殿、こやつらは盗っ人でござるな…」
僕「え?」
佐倉「村長さん…まさにそのお侍さんが言う通りじゃ…」
僕「え?ええ?」
三成「袋の中身は…落花生とこれは…大蒜でござる」
大蒜=ニンニク
佐倉「昨今、国産の落花生とニンニクは高値で売れるんだなぁ…しかもこれだけの良品、今日じゃなかなかお目にかかれない白物じゃ…」
僕「だ…だからと言ってお客様が毎年収穫を楽しみにしているものを…💧」
佐倉「………」
三成「村長殿、この者を引っ捕える許可をくだされ…」
僕「あ…いや…やめておこう…💧」
三成「なぬ?」
僕「佐倉さん、僕はここで働いてくれているスタッフさんは家族だと思っていてとても信頼しています、今回は魔がさしてしまっただけですよね?💧」
佐倉「………いや、もう随分と前からここの作物を盗んでいたんだなぁ」
三成「最後の最後で開き直るとは…この不届き者めが…」
僕「佐倉さん、ここの野菜などは毎年お客様や子供達が楽しみにしていました、それを承知で…」
佐倉「借金が膨れに膨らんで、背に腹は変えれなかった…だから複数人で見張りを付けながら盗みを働いたという訳なんだなぁ」
僕「分かりました…佐倉さん、この作物の袋ぜんぶお持ちください」
三成「村長殿‼︎そればかりは首を縦に振る事はできぬぞ!」
僕「三成さん、いいんです😌」
佐倉「………」
僕「ただし、佐倉さん…これだけは約束してください、これを機に正しい事を行うと」
佐倉「正しい事?今更なにを…」
僕「今回の事は間違った事ですが、次回からは正しい事をして生きていって欲しいんです」
佐倉「手癖は身についてしまったのでのぉ…果たしてそれができるかどうか…」
僕「できますよ!佐倉さんは変われます‼︎」
佐倉「………ではのぉ…」
そう言って佐倉さんはその場を去っていった。
三成「………」
僕「さあ、三成さん…見回りを続けましょう」
三成「ぎょ…御意…」
つづく
2030【17】
2030【16】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
僕「佐倉さん、畑が荒らされたということですが💦」
僕は畑の担当者、佐倉さんに事情を聞いた。
佐倉「いやぁ…ここの所防護柵を見回っていたら、一部柵の下に穴が掘られているのを発見しましてねぇ…」
僕「はい…」
佐倉「おそらくそこからイノシシが入って畑を荒らしたんじゃ無いかなと想定できますねぇ」
僕「被害のあった品種は?」
佐倉「これから収穫できる、さつまいもや大根あたりがすべてやられましたよぉ💧」
僕「春にお客様達が近くの幼稚園児と苗を植えたやつですね?」
佐倉「ええ…これらを楽しみにリピートしてくれるお客様もいらっしゃるねかで、非常に残念ですよぉ💧」
僕「テレサ、さっそく関わったお客様と幼稚園にお詫びの連絡を💦」
テレサ「はい」
僕「あとキャンプに来られたお客様の安全を考えたらきちんと対策をしなければならないですよね」
佐倉「そうですねぇ…キャンプ場の敷地の外に防護柵を設けていますが、そのまたすぐ外側にも電気柵を設ける必要があるかもしれませんねぇ…」
僕「テレサ、すまない…電気柵の予算を…」
テレサ「すぐ計算しますね」
僕「佐倉さん、この件については早急に手を打ちますのでまた何かあったら教えてくたさい!」
佐倉「ええ…承知しましたよぉ」
僕はテレサ、クリス、ケンさんと緊急会議をする事にした。
僕「今回、このような事態となってしまいましたが、何か解決策はありますか?」
テレサ「防護柵の外側に電気柵を設けるのに、7000万円ほど掛かる計算となりました」
クリス「お客様の安全を考えると必要かと思います💧」
ケン「猟友会の方にも相談しましたが、畑や食料となるような箇所にイノシシやシカなどが集まるようなので、その近辺だけでも効果はあるようです、しかしながらどこから害獣が侵入するやもしれないという事も言ってました」
僕「ではまず畑やキャンプサイト周りから電気柵を張っていく感じでいきましょう」
テレサ「現在の売り上げに対し7000万円はかなり負担があります、畑、キャンプサイト周りだけでも4000万円、これだけでも設備投資としてはかなり高額です💧」
僕「いや…しかしそこを削減するとお客様の安全面が危うくなるよ…💦」
テレサ「害獣は主に夜行動するようですので、ここはどうでしょう…私と三成さんとで夜間の見回りをて多く害獣が出没する場所を特定し、そこを重点的に対策するという事でいかがでしょうか…」
ケン「え?いや三成さんはともかく女性であるテレサさんが夜の見回りとか…ちょっと俺は賛成しかねます💦」
僕「そうですね…ん…」
いくらテレサがヒューマノイドとはいえ、あまり危険な目に合わせたく無いのは正直なところである。
クリス「とりあえず三成にどれだけ徘徊できるかを聞いてみます」
僕「僕が見回ります!」
ケン「なら俺も行きますよ‼︎」
僕「いやいや、ケンさんは昼間の仕事が増えてしまったので、そこまで甘えるわけにはいきません、ここは三成さんと僕とで見回る事にします」
ケン「………」
僕「ケンさんには日中の仕事に専念していただきたいです」
ケン「分かりました、ただ野生動物にもある程度詳しいので、アドバイスさせて頂く事は可能です、なので分からない事があればいつでも連絡ください!」
僕「ありがとうございます、助かります💧」
こうしてこの日の夜から僕と三成さんとで施設周りの見回りが始まった。
三成「村長殿、クリス殿から話は伺っている故、なんなりと申し付けくださるようお願い申す」
僕「三成さん、よろしくお願いします」
三成「今から10キロ圏内までの範囲をレーダーでお調べ致す、生物が居ればすぐに分かるので少し待たれよ」
僕「お願いします」
三成「………やはり…」
僕「反応がありましたか?」
三成「ハッ!畑付近に反応があったでござる」
僕「注意しながら向かいましょう」
三成「御意!」
僕と三成さんは畑方面へと向かった。
三成「おったでござる…しかし…」
僕「?」
三成「これは害獣ではござらぬな…」
僕は今まで消していた懐中電灯で畑を照らした。
僕「え?」
三成「おぬし!曲者‼︎」
そこには数人の男性とその中に佐倉さんの姿があった。
つづく
2030【16】
2030【15】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
テレサ「おはよう僕君」
僕「おはよう!」
僕はすっかり健康を取り戻し寝起きも良かった。
テレサ「じゃあ…」
僕「うん」
僕とテレサは朝のキスをした。
テレサ「陰性よ」
僕「さすがに感染はもう勘弁だよ💦」
テレサ「うん☺️」
僕「さあ、今日は新しいキャンプサイトと店舗の最終確認をしよう」
テレサ「よろしくお願いします」
朝のミーティングを済ませた後、僕たちはまず最初に増築した店舗へと向かった。
僕「ケンさん!おはようございます!」
ケン「村長!体はもういいんですか?」
僕「はい、ご心配とご迷惑をお掛けしてすみません」
ケン「いやいや、テレサさんと三成さんがかなり頑張ってくれたんで、思いのほか仕事が進みました!」
僕「ありがたいです💧」
ケン「さっそくですが報告しますね」
僕「お願いします」
ケン「増設したソロキャンパー向けの商品として食材を充実しました」
僕「食材ですね」
ケン「はい、グッズなどはこだわりの物をすでにお持ちなので、ならばここは食材かなと…」
僕「なるほど」
ケン「もちろん食材においてもこだわりが出るかと思いましたので、ここはジビエなども扱おうかと考えました」
僕「ジビエ?」
ケン「はい、2030年とはいえ、まだまだシカやイノシシ、熊などは害獣扱いとして駆逐の対象となってます」
僕「そうなんですよね」
ケン「なのでこれらを無駄にせず活用するならば、よりワイルドさを求めるソロキャンパーさんに提供するのが賢明では?と考えたわけです」
僕「需要は見込めますか?」
ケン「最初はここ静岡のハンターさんから少量ずつ仕入れ、様子を見ながら供給量を見ていきたいと思ってます」
僕「ケンさんは狩猟もされるから、そのあたりにも精通してますよね」
ケン「はい、狩猟に関しては海外でも色々学びました!」
僕「また仕事が増えてしまいますが、そのあたりもお任せしてもいいですか?💧」
ケン「もちろんです!こう言ってはなんですが、今までの売店だけの仕事より充実してます‼︎」
僕「いや…もっと早くケンさんから話を伺っていれば…💦」
ケン「まあ、自分もそれに甘えてた所はあるんで…😅」
僕「ケンさん、これからも沢山提案してくださいね!可能な限り応えていければと考えてますんで」
ケン「はい、よろしくお願いします‼︎」
以前ならば、スタッフの方へ僕から一方的に指示をしていたと思う。
俗に言う「ワンマン」であったのだろう。
これからは適材適所に考慮した人員の振り分けを考え、現場からの意見を吸い上げる事も必要であるという結論に達した。
テレサ「利益がしっかり得られるかは私が算出しますので、提案があればおっしゃってくださいね」
ケン「うん、よろしくねテレサ!」
テレサ「こちらこそです☺️」
僕「ジビエのレシピなどお客様に提案できたら良さそうですよね」
ケン「はい、手取り足取りは人員的にまだ難しいですが、商品にQRコードを付けてサイトに飛べるようにします」
僕「そこにレシピを載せるんですね」
ケン「はい、害獣とはいえひとつの命ですから、美味しくいただけるよう多くのレシピをアップしたいと考えてます!」
僕「大変なようでしたらテレサにも手伝ってもらってください」
テレサ「どうぞご遠慮なく申してくださいね」
ケン「はい、その時はお願いします」
やはりケンさんに店舗やサイトへの提案をお任せして良かったと、僕は確信した。
そして次に僕たちは新しいキャンプサイトへと向かった。
クリス「村長〜!」
僕「え?クリス、まだ休んでいただく事に…💧」
クリス「いやいや、もうすっかり元気ですし体力を使うような事は三成がやってくれてますので😌」
僕「くれぐれも無理だけはしないでくださいね」
クリス「はい!ありがとうございます😊」
三成「クリス殿、焚き火ベースはこの位置で宜しいか?」
クリス「オッケーよ!」
昨今、直火での焚き火ができるキャンプサイトが無い中、ここのソロキャンプサイトに至っては直火での焚き火が楽しめるようだ。
これもケンさんが提案してくれたのだ。
クリス「コンクリートの厚さは他と同じく10センチでお願いね!」
三成「御意!」
土中のバクテリアや生物に影響が出ないよう、焚き火ベースは厚めのコンクリートで保護されている。
クリス「村長、この焚き火ベースが全て終わったらキャンプサイトは完成です😉」
僕「分かりました、あと数日といったところでしょうか」
クリス「今日中に終わってコンクリートが乾燥すれば大丈夫です、3日後には…」
僕「了解しました!」
「ピーーーン!」
僕「ん?畑の管理人からメールだ…」
テレサ「なにかありましたか?」
僕「え?畑の作物の一部がイノシシなどに食べられて壊滅状態だって💦」
テレサ「とりあえず畑へ向かいましょう」
僕「うん💧」
つづく
2030【15】
2030【14】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
僕「ん……んんん…」
テレサ「僕君💧」
僕「テ…テレサ……」
気がつくと僕は病院のベッドの上だった。
僕「クリス…クリスは?」
テレサ「うん…別の病室に居るわ…今は安定してる」
僕「他の人たちは大丈夫だった?💧」
テレサ「PCR検査の結果、ケンさんとゲイルさんは陰性だったわ」
僕「よ…良かった……」
テレサ「僕君は肺炎を起こしてて…さっきまた検査したら今は快方に向かってるそうよ」
僕「そっか……」
テレサ「僕君が倒れた前日、PCR検査を行った時は陰性だったのに…オメガ株のウイルスは急激に増殖するから僕君の体調の変化に気がつけなかった……」
僕「なるほど…」
テレサ「私が居ながら…ごめんなさい💧」
僕「いや…仕方がないよ…」
テレサ「僕君……ゆっくり休んでね…💧」
僕「うん…」
結局、僕はこの後1ヶ月ほど入院する事になった。
幸いクリスと僕、2人ともすぐに容態が安定し、仕事の方は後半2週間テレサにオンラインでの指示ができた為、新しいキャンプサイトと店舗の増設に遅れをとる事はなかった。
そして1ヶ月が経った。
テレサ「僕君…」
僕「ああ…テレサ、迎えに来てくれたんだね」
テレサ「うん、体調はどう?」
僕「ずっと味覚が無かったけど、もうだいぶ戻ったよ💦」
テレサ「良かった…」
僕「クリスは?」
テレサ「僕君と一緒に今日退院よ」
僕「そか…良かった…💧」
テレサ「じゃあ退院準備を始めましょ😌」
僕とテレサはお世話になった医師や看護師さんへお礼を言っていた。
クリス「村長!」
僕「あ!クリス、体調はどう?」
クリス「ご心配おかけしました💧」
僕「いやいや、僕も同じ立場です💦」
クリス「私が村長に感染させてしまったかもです…」
僕「それは…分からない事なんで…ひょっとしたら僕からかもしれないし…💧」
三成「クリス殿、お迎えにあがったで候」
クリス「三成!ありがとう😆」
三成「ご気分はいかがでござるか?」
クリス「もう大丈夫よ、留守中色々ありがとう💧」
三成「キャンプサイト増設、店舗の増築は九割九分完了してござる」
僕「三成さん、ありがとうございます」
三成「ハッ‼︎村長殿もお元気そうでなによりでござる」
テレサ「では帰りましょうか☺️」
クリスにはあと数日仕事を休んでもらう事にし、テレサと僕は管理棟へと帰る事にした。
僕「やっぱりここは落ち着くなぁ〜」
僕「えっ💦」
テレサ「あ…どちらでもいいの…夜は体液から…朝は唾液……つまりキスしてほしい…」
僕「キス……💦わ、分かったよ…」
正直僕はテレサに対し、いちヒューマノイドと割り切って向き合っていた。
しかし今後朝のキスまでしてしまったら…ひょっとしたら僕はテレサに情を持ってしまうかもしれない…そう思って少しばかり動揺してしまった。
テレサ「僕君が私と過ごしている中の様々な場面で、躊躇してる時があるのは分かってる…でもこれはとても必要な事だから…」
僕「そうだね…うん!これから毎朝キスをしよう‼︎」
テレサ「ありがとう…僕君…☺️」
こうして僕とテレサは毎日、夜は交わり朝は必ずキスをする事となった。
古くはダッチワイフや抱き枕、ドールなどに対し恋愛感情を持つ人が居る事を知っている。
しかし僕にはずっとそれが理解出来なかった。
でも今は…テレサに対し信頼や安心などを感じていると同時に、何か言葉では言い表せないような感覚に陥ってきている。
いったいこの気持ちはなんなんだろうか。
テレサ「もうしばらく休んでくれたらいいんだけどな…💧」
僕「いやいや、もう大丈夫だから明日からでも仕事に復帰するよ、でもって今晩は久々にテレサとその…交わりたい💕」
テレサ「キスだけでもいいのよ?」
僕「いや…すっかり元気だしなにより1ヶ月おあずけだったからさ💦」
テレサ「分かったわ、じゃあ食事が済んだらお風呂、一緒に入りましょう☺️」
僕「やったー😆」
テレサ「☺️」
つづく
2030【14】
2030【13】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
ケン「村長、テレサ…」
村長「ケンさん、今日も1日よろしくお願いします」
ケン「お願いします!昨日早く上がらせてもらったんで、少しアウトドアショップなどを見て回ったんですが…」
僕「時間外なのに…ゆっくり休んでくださいよ💦」
ケン「あ、いや売店の拡張の話を聞いてからいてもたっても居られなくなって…w」
僕「申し訳ないです」
ケン「いや、今の仕事はほとんど趣味みたいなものですからねwww」
テレサ「何か発見はありましたか?」
ケン「うん、ソロキャンプ専用のサイトを増設するって事だったんで、そのあたりの関連した商品を見てきたんだけど…」
僕「はい」
ケン「2020年周辺のソロキャンプブームから今に至るまでシーンがかなり変貌を遂げてるって思ったんですよね」
僕「というと?」
ケン「ソロキャンプからソログル、ハンモック、軍幕、北欧式ブッシュクラフトなど楽しみ方が更に増えてきてるなって…」
僕「ふむふむ」
ケン「もちろん2020年年あたりからそのムーブメントはあったのですが、ここんとこの多様化の波に乗ると、かなりの店舗面積が必要となりそうなんです」
僕「分かりました、更に面積を増やします」
ケン「え?💧」
僕「そしたらケンさん、あなたはその店舗のリーダーとして仕事をしていただいてもよろしいですか?」
ケン「お…💧」
僕「店舗全般すべてケンさんにお任せします」
ケン「が…頑張ります😅」
僕「あと…世界中でキャンプされてきたケンさんですから、新しいキャンプサイトのコンセプトにも精通してるかと思うので…」
ケン「あ、まあ…」
僕「そちらはクリスと連携を取ってアドバイスなどいただけたら嬉しいです」
ケン「そうですね!それは凄くやりたい仕事です‼︎」
僕「もちろんケンさんの仕事が大変になってしまうので、テレサさんに経理やその他の雑務もお手伝いさせていただけるよう采配します」
ケン「分かりました!」
僕「よろしくお願いします」
テレサ「ケンさん、なんでも言ってくださいね☺️」
ケン「うん!よろしくね‼︎」
この日から小規模だった売店を拡張する工事が始まった。
仮店舗はテレサが携わり、ケンさんは商品の選択と仕入れを行いながらクリスにアドバイスをするという日々を送った。
そして2週間が過ぎた。
三成「ケン殿、此の木間、ハンモックを垂れるにどうでせうか?」
ケン「あ、OKでーす!」
クリス「もう完成間近ね…ふぅ…💧」
ケン「クリス!もうだいぶ慣れたけど、三成さんのアノ喋り方どーなのよ?」
クリス「あ、私はいいと思うんだけど…ダメかしら?💧」
ケン「まぁいいけど…たまに何言ってるのか分からない時があるからな…御座候とかさ…💦」
クリス「ああ…じゃあその時は私が翻訳するから…」
ケン「よ、よろしく…💧」
僕「おつかれさまです!だいぶ進みましたね!」
クリス「村長、おつかれさまです💧」
ケン「村長、テレサがこの暑い中ずっと仮店舗にいますが大丈夫なんですか?」
僕「あ…はい、ちゃんと自己管理してるので大丈夫ですよ」
ケン「ならいいんですが、汗ひとつかかないでやってるから逆に心配で…💧」
僕「僕もちょくちょく様子を見に行ってるんで、ケンさんは今のお仕事に集中していただいて大丈夫です😊」
ケン「分かりました」
僕「とはいえ皆さんも無理せず休み休み仕事をしてくださいね」
三成「御意!」
ケン「はい!」
クリス「は……アレ」
クリスが突然よろけた
僕「え!クリス?」
ケン「クリス‼︎」
三成「クリス殿‼︎ん…熱が…」
僕「えええ?」
クリス「だ…大丈夫ですよ…たぶん軽い熱中症かと…💦」
僕「三成さん!クリスを医務室へ運んでください‼︎」
三成「御意‼︎」
現場をケンさんに任せて、僕と三成さんはクリスを医務室へ連れていった。
僕「ゲイルさん、クリスに熱があります」
医務室には医師であるゲイルさんが常駐していた。
ゲイル「クリスさん、今朝はPCR検査をした?」
クリス「あ…はい、今朝は陰性でした…」
ゲイル「おかしいわね…ひょっとしたら検査キットにエラーがあったのかも…」
僕「え?じゃあクリスは…」
ゲイル「クリスさんは変異ウイルス、オメガ株に感染してるわ」
テレサ「クリス!」
僕「テレサ‼︎」
テレサ「クリスさんが倒れたと聞いて…仮店舗はバイトの方にお願いしてます!」
僕「テレサ、クリスはウイルスに感染してるみたいだ…💦」
僕「その検査キットにエラーがあった可能性が…」
テレサ「そんなはずは…」
三成「ゲイルさん…少々席を外して頂きとう願いつかまつります」
ゲイル「あ…はい」
ゲイルさんは医務室から出ていった。
三成「クリス殿は御自身でPCR検査をしておりまする」
テレサ「え?」
僕「三成さんとクリスさんは交わったりしてないって事?」
三成「さようで御座る、ラブドールの設定時、さような物は要らぬと申しておりました」
テレサ「クリス……」
僕「クリス!どうして?」
クリス「私は…好きな人以外とは…したくないんです…💧」
テレサ「ヒューマノイドでのPCR検査は遠隔で行われる為、エラーが出ることは100%無いわ、検査キットは0.3%の確率でエラーが出る場合がある…」
僕「クリス…」
テレサ「僕君…ちょっと舌を出して…」
テレサは僕の舌から少量の唾液を取った。
テレサ「俺君もウイルスに感染してる…発症しないらうちに薬を飲んで💦」
僕「三成さん、ここ数日クリスと接触した人は居る?💦」
三成「人間ではケン殿くらいで御座る」
僕「分かった!ケンさんにメールして今すぐ医務室へ行くよう促します!」
テレサ「僕君…ちょっと息が荒いわ…💧」
僕「え?あ…」
僕はそのまま気を失った。
つづく
2030【13】
2030【12】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
テレサ「おはよう僕君」
僕「ん……う〜ん…テレサおはよう」
テレサ「今日はフルーツ中心の朝食よ」
僕「あ…ありがとう……歯磨いてきます…」
昨日あれから家に着いてテレサと一緒にお風呂に入った。
クリスの件でもストレスが溜まったのか、一昨日と同じくまたテレサと数回交わってしまった💧
テレサ「僕君、体調はどう?」
僕「ちょっとだけ眠いかな…」
ここで説明しておきたい。
テレサと交わっている間、同時に僕の様々なメディカルチェックが行われている。
呼吸器、心電図、視力、聴力…分泌された体液からは血液検査と同じコレステロール値からストレス、今まで毎日自分で行っていたPCR検査までも済ますことができる。
単に僕の性欲を満たす為だけではないのである。
テレサ「ストレス値が高くなってきてるから、少し休養が必要よ」
僕「まだ大丈夫だよ💧」
テレサ「私がお手伝いする事によって仕事が早く進むはずよ、そうしたら休む時間もできると思うの」
僕「そうだよね…今のキャンプサイト増設がひと段落したら少し休もうかな」
テレサ「うん😊」
「ピーーーン」
僕「お、クリスからメールだ…なになに、昨晩はお騒がせしました、本日三成も一緒に出勤したいのですがよろしいでしょうか」
テレサ「三成さんが居れば、さらに仕事が進むはずよ☺️」
僕「たしかに…三成さんもスタッフとして働いてもらおうかな…」
テレサ「うん、それがベストだと思う」
僕「分かりました、本日より三成さんもテレサ同様に研修という形でお願いします…と…」
「シュワっーー」
テレサ「これで更に僕君の休養が早まるわね☺️」
僕「そうだね😊じゃあ新しいサイトはクリスと三成さんに任せようかな」
テレサ「新規開拓地のデータを三成さんへ送っておくね」
僕「うん、ありがとう」
1時間後
クリス「村長、テレサ、おはようございます!」
僕「やあクリス、おはようございます!」
クリスの隣には三成が立っていた。
三成「本日からお世話になります、三成と申します」
僕「あ、こちらこそよろしくお願いします」
三成「拙者、まだ不束ではありますが何卒よろしくお頼み申す」
俺「拙者…申す…💧」
クリス「ごめんなさい、あれから設定を色々したらこのような喋り方に…💦」
三成「上様、本日はテレサ殿から頂いたデータを元に新規開拓地を切り開く所存で…」
僕「み…三成さん、僕の事は上様ではなく村長で頼み申す…あれ?💦」
テレサ「うふふ☺️」
三成「御意!村長殿」
クリス「あ…えっと三成、そろそろ職場へ行くわよ…💦」
三成「ハっ!お屋形っ‼︎」
クリスたちは持ち場へと向かった。
僕「ヒューマノイドって色んな設定があるんだね…💧」
テレサ「うん、所有者の趣味、趣向などをインプットして毎日学習していくわ」
僕「そういえばテレサもここ数日変わってきている?…のかも…」
テレサ「うん、変わってるよ☺️」
僕「どこがどうって言い表せないけど…なんか、最初より安心感が…」
テレサ「それは僕君のメンタルも関わっていて、それに合わせて私もアップデートしているの、たとえば今の"アップデート"と言う言葉によって、僕君が違和感を感じた事を今インプットしたわ」
僕「え?💧」
テレサ「だから次回からは"それは僕君のメンタルも関わっていて、それに合わせて私も成長しているの"といった言い回しになる」
僕「なるほど💧」
テレサ「僕君が喜んだり安心したりするたび、ベストな対応を学んでいくのよ」
僕「すごっ!」
テレサ「でもやっぱり人間には敵わないなって思うのも確か…」
僕「どうゆう事?」
テレサ「人間は"愛"を感じる事ができる」
僕「愛…か……」
テレサ「これだけはヒューマノイドにとって永遠のテーマになると思う」
僕「うん」
テレサ「僕君が私と交わる時に言ってくれる言葉だったり、クリスさんやケンさんを思いやる気持ち…それが私には分からないの」
僕「あ……そっか…」
テレサ「あ、もうこの話はしません💧」
僕「ええ?大丈夫だよ!確かに今動揺はしたけど、興味深いし…それに……」
テレサ「?」
僕「それに…ひょっとしたらテレサがその"愛"を感じれる日が来るんじゃないかなって思うんだ…」
テレサ「私が"愛"を感じる?………」
僕「うん、たとえヒューマノイドであっても、これだけ繊細に人の気持ちを理解しているんだし、それに応えようとしてる」
テレサ「………」
僕「だから僕はいつの日かテレサが"愛"を感じる事がきっとできるって信じてる!」
テレサ「僕君……」
僕「さあ、今日もたくさんフィードバックとテレサの学習のために働きますか!😆」
テレサ「うん、よろしくお願いします☺️」
つづく
2030【12】
2030【11】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
クリスから助けのメールが届き、僕とテレサはクリスの家へと向かっていた。
僕「クリスの家はこの近くだって聞いていたけど…マンション名は分かってるから…」
テレサ「社員名簿の住所によれば、そこの自動販売機のある交差点を右に曲がってすぐよ」
僕「分かった!」
僕たちは間もなくクリスの家に着いた。
テレサ「ここのマンションよ」
僕「まずエントランス入口のロックを開けてもらわないと…」
テレサ「まかせて」
そう言うとすぐにロックが空いた。
テレサ「クリスの部屋は502号室よ」
僕たちは階段を使って5階まで登った。
僕「はぁはぁはぁ…」
テレサ「僕君、大丈夫?」
僕「はぁはぁ…だ…大丈夫…💦」
テレサ「ここよ!」
「ピーンポーン」
「………」
僕「応答が無いな💦」
テレサ「鍵が空いてるわ…」
僕「は、入ってみよう…」
僕とテレサは恐る恐る玄関のドアを開けた。
僕「おじゃま…」
クリス「あれ?村長、テレサ…」
僕「クリス!大丈夫⁇💦」
クリス「え?」
テレサ「クリスからのメールに"たすけてください"とあったから…」
クリス「あ、メールの途中で送信しちゃって…そのあと続きを送ったはずなんだけど…💧」
僕「え?💧…あ……来てる…」
テレサ「それはそうと、クリス何かあったの?」
クリス「うん…さっきヒューマノイドが届いて開封したんだけれど…」
僕「何かあったの?」
クリス「訳も分からず色々設定していたらおかしなことに…」
テレサ「ちょっと上がってもいい?」
クリス「うん💧」
僕たちはクリスの家へと上がった。
クリスからのメールの続きは、「ごめんなさい、詳細を送る前に送信してしまいました💦あの、ヒューマノイドが突然動かなくなってしまいまして…」とあった。
僕「こ…これは?」
そこには男性型のヒューマノイドが仰向けに寝ていた。
クリス「名前はすぐに決めれたんだけど…性格やラブドールの設定がなかなか決めれなくて…、そしたら急に倒れ込んでずっとこのままなんです💧」
テレサ「ちょっと見せてね」
テレサはBluetoothを使って男性型のヒューマノイドにアクセスした。
僕「ど…どう?」
テレサ「分かったわ」
僕「クリス、名前を呼んであげて😉」
クリス「あ…うん…」
クリス「三成!」
僕「みつなり?」
クリスが名前を呼ぶと男性型のヒューマノイドがむくりと立ち上がった。
テレサ「スリープしてたのよ」
クリス「スリープ?」
テレサ「まだ所有者の所へ来たばかりのヒューマノイドは、すぐスリープしちゃうの、説明すると所有者の認識まで少し時間が必要で声や息遣いなどで徐々に学習し、特に指示が無い時は勝手にスリープする仕様になってる」
僕「所有者を認識したら?」
テレサ「スリープはしない」
クリス「?」
テレサ「つまりたくさん話をすればするほど所有者を認識していくといった仕組み」
僕「分かったような分からないような😅」
クリス「とにかく今日からこの三成とたくさん触れ合えばいいのね?」
テレサ「うん、そうゆう事😉」
クリス「分かったわ!」
僕「なにはともあれクリスが無事で良かった…」
クリス「ごめんなさい…余計な心配かけてしまって…💧」
僕「いや…僕の早とちりが原因です💦」
テレサ「ふふふ☺️」
三成「性格とラブドールの設定は決まりましたか?」
クリス「あ…ちょ、ちょっとみんなが居る前だと…💦」
テレサ「僕君、帰りましょうか☺️」
僕「あ、だね💧クリス、鍵ちゃんとかけてね💦」
クリス「あ、はい!気をつけます💧」
僕「じゃあ…」
テレサ「また明日ねクリス」
クリス「うん、おつかれさまでした💦」
僕たちはクリスの家を後にした。
僕「いや…とにかく無事で良かった…」
テレサ「僕君はクリスの事どう思ってるの?」
僕「仕事もそつなくこなし気配りも出来るから、安心してキャンプ場全体を任せられる。とても信頼の置ける女性だよ」
テレサ「そっか…」
僕「え?なんで⁇」
テレサ「ううん…ただ聞いてみたかっただけよ☺️」
僕「そかそか…😅」
テレサ「明日は私、何をすればいいの?」
僕「うん、とりあえず今週いっぱいキャンプ場での研修?ってテレサにとっては研修なわけでもないかw」
テレサ「でも表向きは研修ね」
僕「そうだね、クリスとテレサ、僕しか知らない事だしね」
テレサ「私、クリスが事情を知っているって事でかえって色々やりやすいと思う」
僕「え?」
テレサ「私がヒューマノイドだって事を知っている人がひとり居るだけで、僕君の仕事のお手伝いを潤滑に進める事ができるから…」
僕「そっか…周りに隠していくってのもなかなか大変だもんね」
テレサ「今日の新しいキャンプサイトの視察でも、私を知っているクリスが居てくれたからスムーズに仕事がてきたしね☺️」
僕「そっか…こういうのことわざでなんて言ったっけ?雨降って地固まる?」
テレサ「災い転じて福となす…かな?💧」
僕「あ、そっか…w」
テレサ「ふふふ☺️」
僕「テレサ…また明日からよろしくね!」
テレサ「こちらこそ😌」
つづく
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👆前回の話
クリス「テレサ、今日は本当におつかれさま」
テレサ「クリス、疲れてない?」
クリス「大丈夫、ありがとう😊」
テレサ「ううん…もうすぐ到着時間ね」
クリス「うん、そうね…そろそろ仕事あがらなくちゃ💧」
僕「クリス、テレサ今日はおつかれさま、新らしいキャンプサイトのデータ、よくできてるね!」
クリス「さすがテレサ、仕事が早いわね😉」
テレサ「調査中に僕君のパソコンにデータを送り続けてたから…」
テレサ「私もクリスが好きよ☺️」
ケン「あれま…」
クリス「ケン!居たのね‼︎」
ケン「村長に呼び出されたんだよ〜😝」
僕「今日はケンさんから色々意見をいただいたんだ」
クリス「えーーー!もっとテレサを売店に派遣してくれ!って?」
ケン「なわけないだろ!w今度の新しいキャンプサイトについて色々提案してくれって事になったんだってばwww」
クリス「とりあえずテレサがほとんど計測やらを終わらせてるけど…」
僕「あとプラスアルファで何かあればな…って考えてるんだよね」
ケン「世界中をブッシュクラフトでソロキャンしてきた俺に白羽の矢が刺さったってわけさ」
テレサ「実際、ソロキャンパーさんの目線に立てる人からの提案は、更に行き届いたサービスに繋がるわね」
クリス「なるほど…じゃあ後はケンに任せればオッケーね😉、じゃ…私はそろそろ…」
僕「あ、クリスおつかれさまでした」
ケン「おいおい、後は丸投げかよ!w」
クリス「今日はこの後用があるから、村長にいつもより早めにあがる旨は伝えてあるんだもんねー♪」
テレサ「クリス、おつかれさま☺️」
クリス「ではお先に失礼しまーす✨」
ケン「おつかれ!」
僕「ケンさんも今日はあがってください、売店は私が見ますから」
ケン「あ、いいんですか?」
僕「はい、先ほど伺ったソロキャンパー向け商品の陳列レイアウトを考えてみます」
ケン「お任せしちゃっていいですか?」
僕「はい、ケンさんのご意見に添えるようやってみますね」
ケン「分かりました、お願いします」
テレサ「ケンさん、おつかれさまでした☺️」
僕「おつかれさまでした、お帰り気をつけてくださいね」
ケン「はい、おつかれさまでした!」
僕「テレサ、手伝ってもらえるかな?」
テレサ「はい、村長☺️」
僕「うーーん…やっぱりケンさんの言うとおり、これ以上商品を増やすと乱雑になっちゃうな…」
テレサ「拡張するか商品を減らすかの2択になるわね」
僕「これでも絞ってるんだけど、ケンさん曰くニーズに答える為にはもう少し品数を増やしたほうがいいそうなんだ」
テレサ「現場でしか見えないところがあるのは間違いないもんね」
僕「やはり拡張かな…テレサ、売店の拡張の予算と日数を算出できる?」
テレサ「すぐにやりますね☺️」
僕「よろしくね」
テレサ「予算は商品込みで537万2800円、日数は11日です」
僕「11日か、仮店舗は特設テントでいいかな…」
テレサ「まだ暑いので良かったらケンさんではなく私が受け持った方がいいかな?」
僕「あ、そうだね…屋外だとなかなか大変だもんね、テレサは暑さは大丈夫なの?」
テレサ「摂氏65度までは大丈夫よ」
僕「そっか…じゃあお願いしちゃおうかな」
テレサ「分かりました😌」
「ピーーーン」
僕「ん?クリスからメール…あれ?」
テレサ「どうしたの?」
僕「"たすけてください"って💦」
テレサ「え?💧」
僕「クリスになにかあったらしい💦」
テレサ「クリスのところへ…」
僕「うん!急がなくっちゃ💦」
突然のクリスからのメールにより、僕とテレサは車に乗り込みクリスの家へと向かった。
つづく
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👆前回の話
その後クリスは家へと帰っていった。
クリスは自分を責めていたが、全ての責任は原因を作った僕であると自責の念に苛まれていた。
僕「ふぅ〜…なんか今日1日長かったなぁ…」
テレサ「僕君…おつかれさまでした」
僕「ちょっとシャワー浴びてくるね…」
テレサ「お風呂にお湯張ってあるけど…」
僕「そっか…たまには湯船に浸かるのもいいかな…せっかくの温泉だし…」
経営している体験型アウトドア施設には温泉もあった。
テレサ「お風呂でマッサージしてあげるね☺️」
僕「え?いいの?助かるよ…💧」
テレサ「うん、私は僕君のお役に立てるよう存在してるし、開発者へ沢山フィードバックを送らなければいけないからなんでも言ってね」
僕「分かった」
そうして僕とテレサは浴室に入った。
僕「ふぅ〜…気持ちぃぃ〜…」
テレサ「強さはこのくらいでいい?☺️」
僕「うん…ちょうどいいよ…」
テレサ「カチコチね☺️」
僕「え?」
その瞬間、テレサがうしろから抱きついてきた。
僕「あ…💧」
テレサ「ふふふ」
僕「ん〜…今日は色々あったのになんでここだけは元気なんだ?💦」
テレサ「すっきりしましょうね☺️」
人間も生物、過度のストレスに晒されると子孫繁栄の本能が働き性欲が増すと言われている。
まさにこの時の僕はそれであった…
僕「テレサ、今日はラブドールとしてのレベルを少しあげて‼︎」
テレサ「うん💕」
風呂から上がった後でも僕は何度もテレサを求めた。
そしていつのまにか寝てしまい、気づけば朝になっていた。
テレサ「僕君、おはよう」
僕「ん…んん……もう朝か……」
テレサ「朝ごはんは和食にしたよ☺️」
僕「あ…ありがとう…」
テレサ「疲れはどう?一応メディカルチェックはしてあって異常無しだけど…」
僕「え?いつの間に⁈」
テレサ「僕君と交わってる時にしてるよ」
僕「あ、なるほど…😳」
テレサ「さ、歯を磨いて食事にしましょ♪」
僕「うん、分かった」
僕が食事をしてる時、テレサは向かい側に座りこちらを見て微笑んでくれている。
もう何年もこんな安心した気持ちになっていなかったと、僕はこの時気づいたのだった。
テレサ「今日の私の研修は何かな?」
僕「うん…またクリスに指示を仰いでもらおうかと思っていたけど…昨日の今日だから…」
「トントン」
扉をノックする音がした。
クリス「おはようございます😊」
僕「あ、クリスさ…クリス、おはよう」
テレサ「クリスおはよう☺️」
クリス「村長、今日は昨日の指示どおりでいいですか?」
僕「あ…テレサはどう?」
テレサ「どうって?もちろん村長の指示に従いますよ😉」
クリス「なら予定通りでいいですね」
僕「クリス、テレサをよろしくね💧」
クリス「はい😊」
こうしてテレサの研修2日目が始まった。
2人とも昨日の事が無かったかのように振る舞っていた。
クリス「テレサ、準備はいい?」
テレサ「うん、いつでも出発できるよ」
クリス「じゃあキャンプ場へ向かいましょう♪」
そう言ってテレサとクリスは管理棟を後にした。
テレサ「クリス、今日の19時に届くわ」
クリス「うん、ありがとう」
クリスの元へヒューマノイドが届くのは夜の7時だとテレサは伝えた。
クリス「さてと…今日は増設する区画の予定地を私と2人で視察に行くからね」
テレサ「まだ広げるのね」
クリス「ありかたいことにここのキャンプ場の評判が良くて予約もパンク気味で…、それで村長が新たに土地を購入したから今日はその土地の視察をし、だいたいのレイアウトを決めなくてはならないの」
テレサ「うん、分かったわ」
クリス「とりあえず斜面となっている場所は通路やハーブ などの植え込み、平地をテントサイトにしたいと考えてる」
テレサ「現地に着いたらその土地をスキャニングしてデータを出せばいいのね」
クリス「うん!助かる‼︎テレサがどれだけの能力を持っているか分からないけど、私がやるより早いかなってね…💦」
テレサ「まかせてクリス」
クリス「よろしくお願いします😉」
程なくしてテレサとクリスは購入した土地に着いた。
クリス「ここは林間サイトにしたくて、樹木の伐採は最小限に抑えたいの。雰囲気的にはファミリー層やグルキャン向けではなく、ソロキャンプやブッシュクラフトが好きな客層をペルソナしたいのよね」
テレサ「うんうん」
クリス「だからハーブ 類を自然な感じで植え込んだりして…」
テレサ「それもキャンプ料理に使えるようにって事ね」
クリス「そうそう、既存のキャンプサイトは畑と隣接してあって、すぐに使えるようになってる。対してここはより自然に近い状態で採取できるようにしたいの」
テレサ「じゃあ土の質も見なくちゃだね☺️」
クリス「葉物はチッ素、実を使うようなハーブ はカリウムが含まれている土壌がいいかな?」
テレサ「うん、じゃあ今から全体をスキャニングしてみるね」
クリス「お願いね😊」
調査は細かく行われた。
人間であるクリスとヒューマノイドであるテレサは、お互いに意見を出しあってこの日の調査を終えた。
つづく
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2030【9】
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👆前回の話
僕「クリスさん…なぜ…💧」
クリス「ごめんなさいごめんなさい💦村長さん、夕飯食べられたかな…って思ってこちらの管理棟へ来たら、中からのテレサさんとの会話を聞いてしまって…💧」
僕「そ、そっか…💧っていうかクリスさん…逆にごめんなさい…」
クリス「私…気が動転してしまい…今日も平静を装うのに必死で…でもテレサさんがあまりにもキレイで優しくて…」
テレサ「………」
僕「テレサ、クリスさんは僕にとってとても大切な人なんだ」
テレサ「うん」
僕「だから……あの……」
テレサ「ニューラライズ……をしない方法がある…」
僕「そっか…ヒューマノイドの所有権利枠…それをクリスさんに渡せば…」
テレサ「うん…僕君がクリスさんを心から信頼してるのは分かってる」
クリス「村長、テレサ…本当にごめんなさい…💧」
テレサ「クリス、大丈夫よ☺️」
僕「クリスさん、この事は他言して…」
クリス「ないです!本当に私パニックに陥ってしまっていて…そんな余裕なんか…」
僕「なら良かった…」
テレサ「最終確認をさせてねクリス」
クリス「う、うん」
クリス「は…はい…💧」
クリスが本当にヒューマノイドを手に入れたかったかは定かではないが、この時の雰囲気ではそう言わざるを得なかった。
テレサ「クリス…不安は無い?大丈夫?」
クリス「うん、大丈夫!私が蒔いた種で村長やテレサに迷惑をかけたくないとい気持ちもあるけど…こうなったら気持ちを前向きに持ってく‼︎」
テレサ「分かった、明日クリスさん宅に新しいヒューマノイドが届くわ」
クリス「うん…村長…私……ずっと村長の事が好きでした…そして今もその気持ちは変わらないです💧」
クリスは突然自分の胸の内を話し始めた。
僕「え?クリスさん…」
クリス「だから…できれば私もテレサのようにさん付けはやめてほしいです💧」
僕「ん…」
クリス「一方的に好きになって、要求までして申し訳ありませんが……村長ともっと近づきたいですっ😣」
僕「クリスさ……クリス……」
クリス「はい☺️」
僕「ありがとう…でも…なんていうか…まだその…」
クリス「いいんです!村長、こちらこそありがとうございます」
テレサ「クリス、明日届くヒューマノイドは女性向けのタイプ、つまり男性型になる」
クリス「うん…分かったわ」
テレサ「僕君、ちょっとバタバタしたけれど、私は結果的にこれで良かった気がするよ」
僕「うん…どうなるかまだ予測がつかないけれど…良い方に考えよう」
クリス「本当にごめんなさい…」
テレサ「クリス、もう大丈夫、ある意味あなたも巻き込まれただけだから、気持ちを切り替えて新しい仲間が増える事を喜びましょう☺️」
クリス「テレサ…ありがとう…」
僕「これで一件落着だね」
僕らは今回の件を乗り越える事により連帯感を感じていた。
そして、その事でお互いの距離がさらに縮まったのは確かであった。
つづく
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2030【8】
2030【7】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
僕「スタッフとの距離…」
テレサ「そう…俺君は気づいてないのかな?」
僕「ん〜…全体的に業務は潤滑に進んでるから、スタッフと僕との関係性はいいのかな?って思ってるけど…」
テレサ「まだキャンプ場の施設しか見てないけれど…、クリスさんやケンさんが今どう考えて仕事をしてるか分かってるかな?」
僕「ああ…なんだろ…クリスさんもケンさんも会えば親しみを込めて接してくれてるから大丈夫かな?って勝手に思って任せてたけど…、あとあまり個人の思考に深入りするのはかえって失礼なんじゃないかな?とも考えてる…」
テレサ「うん、でもおふたり、クリスさんやケンさんの意見を引き出す事によって、今後の運営のヒントや改善策なんかが見えてくると思うの」
僕「テレサ」
テレサ「ん?」
僕「僕とスタッフとの間にまだ壁みたいなものがある?」
テレサ「率直に言うと…あると思う…」
僕「そっか……ちょっとその件については明日から意識してスタッフへの接し方を変えてみるね」
テレサ「おそらく人間って自衛本能によって"ことなかれ主義"が働いてしまうんだと思う」
僕「うんうん」
テレサ「それは社会に置いて波風を立てないというメリットもあるけれど、本質を隠してしまう部分もある」
僕「分かる」
テレサ「もちろん業務に支障をきたすような摩擦は避けたいけれど、ちゃんとお互いを信頼する事によってリカバリーできるはずなの」
僕「確かに…」
テレサ「あ、そろそろ仕事の話はおしまいにします」
僕「ええ?もっと話したいよ〜」
テレサ「僕君の気持ちも分かるわ、経営者だもんね」
僕「だし…なんかテレサと仕事の話すると勉強になるんだよ」
テレサ「でも、出来るだけ仕事とプライベート、オンとオフを切り替えるのも大事だよ」
僕「あ〜…まあつい仕事の事になると走り過ぎるきらいはあるかな?💧」
テレサ「うん、体も大事だからご自愛ください☺️」
僕「はははwだよね💦」
テレサ「ところで…今日クリスさんが来た?」
僕「いいや…来てないよ」
テレサ「明日の私の配属先…」
僕「あ〜、それはメールで伝えただけだけど…」
テレサ「そっか…」
僕「?」
テレサ「ごめんなさい、じゃあ夕食にしましょうか☺️」
僕「あ〜…じゃあお湯沸かすね」
テレサ「お湯?」
僕「カップ麺があるんで…」
テレサ「今から作りますので少し待ってね☺️」
僕「あ、はい…お願いします…」
今更ながらだが、僕は一年中管理棟に常駐している。
この施設がオープンしてからずっとだ。
家はあるが、やはりここ、管理棟が1番落ちつくという理由ともちろんお客様の安心安全を思っての事もあってそうしている。
テレサ「おまたせ☺️」
僕「おお〜…野菜たっぷりカレーだね✨」
テレサ「野菜がたくさんあったけどあれは?」
僕「うん、自然体験や食育の意味で施設内に畑を設けてる」
テレサ「まだ公式サイトに載せてなかったわね」
僕「サイトの更新もなかなか後回しになっちゃってるんだよね💧」
僕「………」
テレサ「やっておくね😊」
僕「お願いします💧」
「トントン」
僕「ん?」
クリス「村長!夜遅くごめんなさい💦やっぱり私…言わなくちゃ…」
僕「どうしたの?」
クリス「あの…実は昨日…聞いてしまいました…」
僕「え?」
僕「え⁈えええ💦」
テレサ「………」
つづく
2030【7】
2030【6】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
テレサ「クリス、なにかあったの?」
クリス「あ…大丈夫よ、テレサ…後で話すね」
ケン「冷静沈着なクリスらしくないなw」
クリスに何があったのかテレサは少し心配だったが、本来のこの業務を覚えるというミッションに集中することにした。
テレサ「ケンさん、もうすぐ夕方になりますけどお客様への対応を教えてください」
ケン「あ、そうだね…テレサは接客はどう?できる?」
テレサ「一般店舗からホテルなどのハイエンドな接客まで行う事が出来ますが…」
クリス「凄いねテレサ…💧」
ケン「あ〜、敬語は必須だけど、あまり堅苦しくならない程度の接客ってできる?」
テレサ「はい!できます」
ケン「あ、じゃあそれでお願い😉」
テレサ「分かりました」
クリス「ケン、私は持ち場に戻るけど引き続きテレサをお願いね」
ケン「了解!クリス‼︎」
クリス「テレサ、無理せずやってね」
テレサ「あ、うん…クリスありがとう」
クリス「また後で迎えに来るからね😌」
その後、天気予報通り夕方から天気が崩れ始めたが、そこまで酷い訳ではなかったので雨具と食材が幾つか売れた程度でその日の営業時間が終了した。
ケン「いや〜テレサおつかれさま」
テレサ「ケンさん、おつかれさまでした」
クリス「おつかれ〜✨」
テレサ「クリス!」
ケン「おつかれ!いやクリス、テレサの接客めちゃくちゃ良かったよ✨」
クリス「でしょ?テレサは何をやってもそつなくこなすって私分かってるから」
ケン「ほぉ〜…さすがリーダー、優れた洞察力だなw」
クリス「あ〜、またバカにして…」
テレサ「ふふふ☺️」
クリス「じゃあテレサ、行くわよ」
テレサ「?」
クリス「村長から業務終了後にふたりで来てって言われてるから」
テレサ「うん」
クリス「じゃあ行きましょ」
テレサ「うん」
ケン「クリス、テレサは明日もここ?」
クリス「ざーんねん!さっき村長にケンがテレサをコキ使ってるって話したら明日は変えようだってさw」
ケン「えーーー💦」
クリス「じゃまた明日ね、ケン」
テレサ「ケンさん、またお願いします☺️」
テレサとクリスは、僕が居る管理棟へと向かった。
クリス「おつかれさまです、村長」
テレサ「おつかれさまです」
僕「おつかれさまでした、夕方からの悪天候大変だったね💧」
クリス「いえ、それほど酷くならずお客様も、皆様それなりに雨キャンプを楽しまれていたようで幸いでした」
僕「そっか〜、それなら良かった…対応ありがとう😊」
クリス「いえいえ…」
僕「テレサさんは…初日どうだった?」
テレサ「はい、クリスさんやケンさんのご指導により少しずつですが仕事を覚える事ができました☺️」
クリス「テレサさんはよくやってくれています、というか飲み込みが早いのでとても助かります」
僕「そりゃ良かった…明日も引き続きテレサの事お願いします、クリスさん」
クリス「はい、分かりました」
僕「それじゃあクリスさん、今日はもういいですよ。おつかれさまでした。帰り気をつけてください」
僕「ああ…ちょっと個別に話があるので…」
クリス「あ…分かりました、失礼します」
そう言ってクリスは管理棟を後にした。
僕「テレサ、どうだったかな?とりあえずキャンプ場の雰囲気は分かった?」
テレサ「うん…お客様の動線や安全性をよく考えて作られていて、キャンプスタイルの趣向別にエリア分けされているのが分かった」
僕「分かった?💦結構なんども試行錯誤したんだよね〜」
テレサ「来たお客様に対し最大限楽しんでもらおうってのは感じたわ☺️」
僕「ほんと?」
テレサ「うん、あとは…」
僕「あとは?」
テレサ「僕君とスタッフとの距離を感じたわ」
僕「僕とスタッフとの距離?」
テレサ「うん…」
この時僕は、テレサの言う事がまだ理解できていなかった。
そしてこの後、予想だにしなかった出来事が起こるのであった。
つづく
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2030【6】
僕の仕事を手伝ってくれる事になったテレサはキャンプ場の仕事から覚える事となった。
そしてキャンプ場のリーダーであるクリスから、彼女の胸の内を聞かされたのであった。
2030【5】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
クリス「テレサ、午後もよろしね😆」
テレサ「はい😊」
クリス「午後からは売店に行ってもらって、販売担当の指示で動いてね」
テレサ「分かりました」
クリス「敬語は距離を感じるな…💧」
テレサ「ごめん、分かったわ」
クリス「😊」
クリス「ケン!おつかれさま〜」
ケン「クリスおつかれ!」
クリス「テレサこちらケン、ケンこちらテレサ、今日からキャンプ場の研修する事になったよ」
ケン「テレサさん、よろしく😉」
テレサ「ケンさんよろしくお願いします☺️」
クリス「テレサ、ケンは販売部のチーフよ」
ケン「午後からはこちらで研修って事は聞いてますよ〜」
テレサ「はい、何からすればいいですか?」
ケン「じゃあまずは取り扱っている商品を覚えて、各商品の減り具合を見ながら補充…」
クリス「ちょっとケン!なに最初から難しい事やらせようとしてるのっ‼︎」
ケン「はははははw」
テレサ「あ、ちょっとやってみますね!」
クリス「まだ今日が最初なのに、商品の減り具合なんて…💧」
テレサ「こちらの発注データを見ればいいですね?」
ケン「あ…そうそう、あと曜日とシーズン、天気なんかを見ながら商品が欠品しないように発注すればOK✨」
クリス「ケンの居場所は今日限りで無くなりそうね」
ケン「え?💦そんな事言わないでよぉ〜」
クリス「ふふふwテレサは実務経験がありそうな位そつがないわね」
テレサ「あ、いやそんなこと…」
「ピーン!」
クリス「あ、村長からメールだわ」
ケン「ん?」
クリスは村長からのメールを確認した。
クリス「私ちょっと村長の所へ行ってくるからケン、あとはよろしく!テレサ‼︎頑張ってね✨」
テレサ「クリス、ありがとう☺️」
ケン「…」
テレサ「ケンさん、本日発注しなければならない商品をリストアップしました」
ケン「早っ‼︎💦、いやテレサありがとう」
テレサ「いえ、他に何かありますか?」
ケン「ん…今日は暇だからあとは店番しながら…」
テレサ「?」
ケン「まあ…ちょっと話でもしようか」
テレサ「はい」
売店もお昼過ぎということもあり、閑散としていた。
ケンの話によれば夕方くらいまでは毎日暇との事だった。
ケン「テレサさんはキャンプとか興味あるの?」
テレサ「キャンプについての良さはまだ分かりません、でも現代に置いてこのような自然豊かな場所で人々の心を癒すお手伝いが出来ることはとても嬉しい」
ケン「へぇ〜、テレサさんって変わってるね」
テレサ「私が?ですか?」
ケン「あ、いや俺はキャンプが好きで、そんな場所、ここキャンプ場で働けるっていいかな…なーんて思ってる…その程度だからさ💧」
テレサ「好きな事に寄り添って仕事ができる…それって素敵な事じゃないですか?」
ケン「うん…でも好きを仕事にするってなかなか…大変っていうか、自分に嘘をついて仕事する時もあるから…」
テレサ「嘘?」
ケン「やっぱり趣味じゃない次元で物事を考えないといけなかったり…」
テレサ「売り上げとかですか?」
ケン「まあ、それもある」
テレサ「………」
ケン「人間って感情があるから、それが邪魔したりもするし、色々複雑に考えちゃうと自分を見失っちゃったりもしちゃうじゃん?」
テレサ「…」
ケン「俺はキャンプ好きが高じて日本のみならず世界中をキャンプしてきたんだけど、やっぱり純粋にキャンプが好きなだけなんだなって思ってて、この仕事をしてそれに気づいたところがある」
テレサ「ケンさんは今、楽しくないんですか?」
ケン「楽しいよ、楽しいけどその割合は50%くらい、やっぱりこのキャンプ場に来てくれたお客様はありがたいけど…もっと楽しいキャンプの仕方なんかも教えれたらなって思ってる」
テレサ「はい、それってケンさんが世界中をキャンプしてきて得たものを教えてあげたいって事ですよね?」
ケン「そうだね、もちろん今のようにここ、売店にくればある程度の食材や足りないギアとかも手に入る。でも…そもそもキャンプって非日常の不便さも工夫して楽しむといった所もあるんじゃないかな?って思うんだ」
テレサ「なるほどです」
ケン「でも買い求めに来たお客様に対し、そのような事を強要する事も…ほら…」
テレサ「売り上げが立たなくなりますよね」
ケン「そうなんだよね…」
テレサ「………」
ケン「そういえば…」
テレサ「?」
ケン「クリスは村長に気があるよね?w」
テレサ「え?」
ケン「はははははwこれは各部署でも有名な話だから大丈夫w」
テレサ「そうなんですね…」
ケン「テレサさんが村長のつてで入社したって聞いた時、なんか複雑な顔してたよw」
テレサ「ええ?」
ケン「まあ、クリスはそこまで子供じゃないから大丈夫だけどねwww」
テレサ「………」
クリス「ふぅ〜…どう?ケン!」
ケン「あ、おかえりw」
テレサ「クリスおかえり☺️」
クリス「……ただいま…」
テレサ「?」
村長、つまり僕に呼び出されたクリスが売店に戻るとなにやら様子が変。
そんなクリスに懸念を抱くテレサであった。
つづく
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2030【5】
ラブドールにAIを組み込んだヒューマノイド テレサとの生活がスタートした。
本式な供給を目指すべく開発元へフィードバックを送るため、僕の仕事を手伝ってもらうことになった。
2030【4】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
僕「おはようテレサ」
テレサ「おはよう☺️」
僕「さっそく今日から業務を手伝ってもらいたいのでよろしくね」
テレサ「うん」
僕「じゃあ朝のミーティングから始めるね」
テレサ「はい村長」
朝のミーティングは各部署のリーダーや社員、パートの人たちとZOOMを使って行っている。
僕「おはようございます!」
スタッフ「おはようございます!」
僕「今日の天気は晴れのち曇りです、夕方から天気が崩れる可能性もあるので、各部署での対策をお願いします」
スタッフ「はい!」
他に昨日の売り上げや各部署からの報告内容、改善点を話した後、テレサを紹介する事となった。
僕「最後に新しいスタッフを紹介します、本日から皆さんの仲間入りをするテレサさんです」
テレサ「おはようございます、本日からお世話になりますテレサです。業務に関してまだ何も分かっておりませんが皆様の足を引っ張る事の無いよう務めて参りますので何卒よろしくお願いします」
スタッフ「よろしくお願いします!」
僕「じゃあテレサさんは…本日からキャンプ場の部署にて研修という事でお願いします。クリスさん、よろしくお願いします」
クリス「キャンプ場担当のリーダー、クリスです、テレサさんよろしくね!」
テレサ「クリスさん、よろしくお願いします😌」
僕「では本日もよろしくお願いします‼︎」
スタッフ「お願いします‼︎」
僕「じゃあテレサ、キャンプ場の方へ案内するね」
テレサ「はい、よろしくお願いします」
管理棟からキャンプ場までは徒歩10分ほどの距離、僕とテレサはさっそくキャンプ場へと向かった。
クリス「村長〜‼︎」
僕「クリスさん!こちらがテレサさんです」
テレサ「あらためてよろしくお願いします」
クリス「テレサさん、よろしくね😆」
僕「じゃあテレサさん、今日からこちらの業務内容を覚えてください」
テレサ「はい☺️」
僕はキャンプ場の研修をクリスさんに委ねる事にし、キャンプ場を後にした。
テレサ「はい!構いません」
クリス「テレサもクリスって呼んでね」
テレサ「いいんですか?」
クリス「ちょうど歳も一緒くらいだし、私の事上司というよりか仕事を教えてくれる友達ってゆー風に扱ってくれたら嬉しいな」
テレサ「あ、うんクリス、よろしくね☺️」
クリス「よろしくね😆」
テレサ「じゃあ私、何から覚えればいいかな?」
クリス「じゃあまずはキャンプサイトの見回り、昨日から滞在しているお客様が居るから何か異常があったらすぐに知らせてほしい」
テレサ「うん、分かった」
クリス「基本的な異常はドローン型のボットが報告してくれるんだけど…やっぱり細かなホスピタリティは人間じゃなくちゃ無理だから…」
テレサ「うん」
クリス「キャンプサイトはオートサイトが30張り分、フリーサイトが50張り分、コテージが10よ」
張り:テントを立てることを張ると言い、ひとつのテントで1張り
テレサ「了解」
クリス「じゃあお願いね!分からない事があったらこのインカムで連絡して✨私は炊事場とトイレの見回りをしてくるから」
テレサ「はい☺️」
テレサは各キャンプサイトの見回りをしつつお客様への声かけなどを行った。
そしてお昼休みの時間になった。
クリス「テレサ!おつかれさま✨休憩の時間よ😆」
テレサ「あ、クリス…おつかれさま☺️」
クリス「あれ?テレサお昼ごはんは?」
テレサ「あ…私は1日一食、朝しか食べないの…」
当然の事ながらテレサに食事は不用である。
クリス「ああ〜ファスティングね!そっか…じゃあ私だけ食事ごめんね💧」
テレサ「ううん…ゆっくり召し上がれ☺️」
クリス「いただきまーす!」
そうしてクリスの食事が終わり軽い雑談が始まった。
クリス「テレサ、午前中研修をしてみてどう?」
テレサ「あ、もっとクリスが付き添って細かな指示とかあると思った…」
クリス「ふふふ…もちろん色々あるんだけど、初日からあれもこれも言われたら疲れちゃうじゃない?」
テレサ「ありがとう☺️」
クリス「まずは現場の雰囲気に慣れてもらって、様子を見ながら業務内容を教えていくからね」
テレサ「よろしくお願いします☺️」
クリス「でもって午後からは他のスタッフにも紹介するね✨」
テレサ「うん!」
クリス「んで…いきなりなんだけど……」
テレサ「ん?」
クリス「テレサは村長の事どう思う?」
テレサ「え?」
クリス「あ、いやいや…なんていうか…ネガティブな話とかじゃなくて、私がここで働きはじめて3年になるのね」
テレサ「うん」
クリス「でもその間、村長に女っけが無いというか…結構いい歳なのになって…」
テレサ「クリス、村長の事…」
クリス「あ…まあ正直に話すけど…ずっと気になってる…」
テレサ「そうなのね」
クリス「あは、ごめんね初日から変な話しちゃって💦」
テレサ「ううん…なんかいいね」
クリス「ん?」
テレサ「なんでもないよ☺️」
クリス「他のスタッフには内緒ね💧」
テレサ「うん、分かった」
クリスが何故他のスタッフにも内緒にしている胸の内をテレサに話したのかは定かではないが、人を好きになるという感覚を持ち合わせてないテレサにとってそれは新鮮な感情であった。
つづく
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👆前回の話
旧友である佐々木から勧められて、ラブドールとAIのハイブリッドであるヒューマノイドを手に入れた僕は、今後の生活が劇的に変わるであろうと予感していた。
僕「あ、テレサ?」
テレサ「なあに?」
僕「えっと…ラブドールとしての設定はそのままでいいや…💧」
テレサ「分かった☺️」
僕「ええと…こちらからの質問とか答えてくれるかな?」
テレサ「うん、可能な限りなら」
僕「まだテレサのスペック…っていうか他に何ができるかが分からないんだけど…」
テレサ「身長148cm、体重45kgほどの女性ができる事はほとんどできるわ」
僕「泳いだりとかも?」
テレサ「泳ぎに関しては事前にプログラムされているし、防水もIPX8、水深で言えば10メートルくらいまで潜れるわ」
僕「へぇ〜凄いね」
テレサ「ふふふ、凄いでしょ😌他に何か要望があれば言ってね」
僕「んー…今僕は体験型アウトドア施設を運営していて、様々な仕事があるんだ」
テレサ「公式サイトを見させてもらったけど、幅広くやってるね」
僕「うん…昔からずっと夢だったから…一昨年やっとその夢が叶ったって感じかな」
テレサ「なにか私にお手伝いできることはある?」
僕「そうだなぁ…とりあえず全般的に見てもらって、改善点なんか教えてくれたら嬉しいけど……」
テレサ「分かったわ」
僕「え?できそう??💦」
テレサ「全体の内容を把握して、顧客満足度、安全面、ホスピタリティ、経営面などを見直してみるね」
僕「うおおお!た、頼むよ‼︎」
テレサ「はい☺️」
僕「んーじゃあテレサは新入社員というか研修という立場で…」
テレサ「僕君に雇われたという立ち位置でいい?」
僕「そうだね、他の社員さんやパートさんの手前その方がいいかも…」
テレサ「それじゃあみんなの前で"俺君"じゃまずいわね」
僕「あー確かに…」
テレサ「みんなからはなんて呼ばれてるの?」
僕「最初は社長とか呼ばれてたんだけど、なんかこそばゆくてね…今は村長って呼ばれてる…それもちょっとこそばゆいけどね💦」
テレサ「分かりました、村長!」
僕「えぇ?2人だけの時はやめてよ‼︎」
テレサ「分かった😌」
僕「じゃあさっそく明日からお願いね」
テレサ「うん」
僕「僕は今から今日の集計や各部署からの報告を受けたりしなくちゃだから…テレサは…えっと…充電とかは…?」
テレサ「基本はソーラー充電よ、パネルは私の髪の毛。ここから体内のバッテリーに蓄電されるの。出荷時は80%ほど充電されてて今は72%。あとはワイヤレスでの充電も可能だけど、まだまだ大丈夫よ」
僕「へぇ〜…髪の毛がソーラーパネルなんだ…」
テレサ「うん、で集計は私がやる?」
僕「え?あ、そっか…お願いします」
僕は集計に使ってるパソコンを立ち上げてテレサに見せた。
テレサ「はい、終わりました」
僕「えええ?💦パソコンにすら触ってないのに??あ…ほんとだ、終わってる…💧」
テレサはWI-FIもしくはBluetoothに繋がれてるパソコンならば遠隔で操作できるらしい。
僕「お、お願いします💧」
テレサ「りょーかいです!」
僕「あとは各部署の報告待ちだけだな…」
各部署の報告内容
- 事故やクレームの有無
- 各リーダーからの提案
- お客様からの問い合わせ内容
など…
テレサ「じきにそれらも手伝わせてね」
僕「あ、ありがとう」
テレサ「いいえ…私たちヒューマノイドは人間の役に立つ目的で作られたの。今はプロトタイプだから未熟な点もあるかもしれないし、国によっては倫理的な意味で承認されなかったりする。だから僕君のような人達のお手伝いをさせてもらって、そのフィードバックを開発元に送信する事でアップデートしていくのが今の課題」
僕「そこまでは話せるんだね」
テレサ「うん、話せない事もあるのは事実だけど、今回のヒューマノイドの開発に協力してくれた僕君のようなコラボレーターに対してはある程度開示してる。データを取らせてもらってる代わりにね」
僕「その方が安心するかな」
テレサ「うん☺️もちろんその集めたデータを悪用する事は絶対に無いし、もし万が一そんな事になってしまったら、ヒューマノイドは社会的に承認されなくなってしまう。開発元としてもそれは不本意なことだから…」
僕は佐々木に聞いた事を今一度テレサに聞いてみた。
僕「実際、公式にヒューマノイドが供給されるのはいつなの?」
テレサ「しっかりとデータが取れるまでは供給できないわ」
僕「早い方がいいのかな?あ、ほら発表しちゃったし…」
テレサ「色々段階を踏まないとなかなか難しいのよね、世界中のみんながみんなヒューマノイドに対して好意的であるとは限らないから…」
僕「そっか…まずは信用と実績ってことか…」
テレサ「うん」
「チーーーン!」
僕「あ、各部署のリーダーからメールが来た」
テレサ「何が手伝える事があったら言ってね」
僕「うん!実績を貯めないとだよね」
テレサ「うん!」
つづく
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