2030【3】
2030【2】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
Echo Show「荷物が到着しています」
スマートスピーカーから荷物の到着が知らされた。
Echo Show「今回の荷物はサイズ的に宅配ボックスに投函できません、手渡しか入口付近への設置がお選び頂けますがいかがなさいますか?」
僕「あ、じゃあ入口付近設置で」
Echo Show「かしこまりました」
宅配業者も定期的なPCR検査とワクチン接種が義務付けられてるとはいえ、仕事上外部からのウイルス感染を出来るだけ避けたいということからの答えだ。
僕「宅配業者もヒューマノイドやドローンで行えばもっと安全なんだけど…」
そういったことを思いながら入口の扉を開けた。
僕「おっ…」
扉を開けたすぐそこに1.5メートルほどの木枠の箱が置かれいた。
僕「ついにヒューマノイドが届いたか…」
重さはさほどなく、おそらく50kgくらい、箱には「精密機器」や「開封厳禁」などのシールが貼られていた。
箱の底面にはコロが付いているので、なんなく管理棟の中へ運べそうだ。
僕「よし、中で開封するか…」
木枠の箱とはいえ、フタ部分は開けやすい構造となっており、とくに道具もいらないようだ。
ただ、フタの四角には『不正開封シール』が貼られており、かなり厳重な空気を漂わせていた。
僕「よし!」
僕は不正開封シールをはがし、ゆっくりとフタを持ち上げた。
僕「おお…」
そこには箱いっぱいに仰向けのまま梱包されたヒューマノイドが緩衝材に包まれて入っていた。
僕「確か佐々木…手を強く握っていたな…」
Hold your handと書かれたシールがヒューマノイドの右手に貼られていた。
そして僕はヒューマノイドの右手を若干強めに握った。
「ポーーーン」
次の瞬間、起動音と共にヒューマノイドがムックリと起きあがった。
ヒューマノイド「こんにちは、今から15分ほどお時間をいただけますか?」
僕「あ、うん…」
ヒューマノイド「それでは初期設定を開始いたします」
僕「うん」
ヒューマノイド「まずあなたの個人情報を読み取りますのでマイナンバーカード、12桁の個人番号をお教えください」
僕「あ、ちょっと待って💦」
マイナンバーカードをカードケースから取り出し、表記されている12桁の番号をヒューマノイドに伝えた。
ヒューマノイド「それではこれから規約の説明と質問をさせていただきます。この作業は12分ほどで終わります」
僕「あ、うん」
規約の内容
- 混乱を防ぐためヒューマノイドを所有している事の他言禁止
- 所有したヒューマノイドの貸し出しや贈与、転売の禁止
- 所有したヒューマノイドの分解、改造、データの書き換えの禁止
- 強い衝撃を与えたり破壊目的の行為を禁止
- 所有者の情報を開発者へ送信することを妨げる行為の禁止
- 反社会的な行動に対しての使用禁止
- 兵器としての使用禁止
- 宗教的な活動に利用することを禁止
- 所有の放棄するにあたり無断でヒューマノイドを廃棄する事はいかなる場合であっても禁止
おおまかに言うと規約はこんな感じだ。
ヒューマノイド「それでは質問させていただきます」
僕「うん」
ヒューマノイド「身近にヒューマノイドを勧めたい方はいらっしゃいますか?」
僕「え?今はとくに…」
ヒューマノイド「あなたにはヒューマノイドの所有権利の枠がひとつ残っています。もし身近に信頼のおける方でヒューマノイドに興味がありそうな方であれば紹介していただいて結構です。また、その際の他言であれば問題ありません。ただしひと枠ですので最大でひとりという事になります」
僕「ひとりで2体、つまり僕が2体所有することは可能?」
ヒューマノイド「はい、ただし色々と条件がございます」
- ヒューマノイドを所有して半年経っているか
- その間、開発者へ送信したデータに改ざん点が見当たらないか
- 開発者へ送信したデータが一定数の情報量であるか
ヒューマノイド「以上です」
僕「あの…もしヒューマノイドを他者に勧めて断られたら?」
ヒューマノイド「ニューラライズされます」
僕「え?ニューラライズってあのエイリアン映画で出てきたみたいなやつ?記憶を消すみたいな…💧」
ヒューマノイド「そうです」
僕が佐々木からの話を断っていたら、記憶を消されたという事らしい。
一瞬背筋が凍った。
僕「まあ、分かりました…」
ヒューマノイド「それでは次の質問、私の設定を変えますか?」
僕「設定?」
ヒューマノイド「はい、名前と性格、ラブドール的な設定の変更です。これはいつでも変更する事ができます」
僕「あ〜…」
おそらく今は佐々木のヒューマノイドと同じ名前、アレクサであろう。
また家にはEchoShowにアレクサが居るので混同してしまうので分けた方がいいと判断した。
僕「あと性格は…今だとちょっと距離を感じるから…もう少しフランクっていうか…」
テレサ「友達っぽい感じでしょうか?」
僕「そうそう!」
テレサ「分かった☺️」
僕「おお〜」
僕「それはちょっと色々試してみないことには…」
テレサ「了解!じゃあさっそく💕」
僕「ぎゃっ‼︎‼︎‼︎」
つづく
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