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AIヒューマノイド テレサ第二話

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【第一話】

AIヒューマノイド テレサ第一話 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム

 

ユアーズ社との提携を結んだ我々は、さっそく同社取締役である弓月さんと共にヒューマノイド開発の準備を進めた。

 

松本「様々なモデルがある中、まずどれを選ぶかが問題だな」

 

ユアーズ社から提供されたYDollは三体、女性型が二体と男性型が一体だ。

 

私「まずは女性型から始めたい、そうなるとこの二体のどちらかという事になるな」

 

松本「弓月さんがおっしゃってた創業者の夢であるヒューマノイド形秘書を目指すんだな?」

 

私「ああ…松本はどちらがいいと思う?」

 

松本「ん〜…どちらも甲乙付け難いが……」

 

二体の女性型YDollはアルファが身長165cm体重50kg、ベータが身長148cm体重40kgで、どちらも20代半ばの容姿であった。

 

私「私は将来のコンパクト化も考えてベータを選びたい」

 

松本「そうだな、他のチームはどう出てくるか分からないが、省エネルギーや省スペースなどをとってみてもまずはベータで進めるのが賢明だな」

 

私「では始めよう」

 

松本「ああ」

 

我々は女性ベータ型のYDollに回路やアームなどの取り付けにかかった。

ベースとなるパーツは予め組んであったので、作業は数時間で終わった。

 

私「後は縫い目をユアーズ社でコーティングしてもらえば完成だな」

 

松本「じゃあさっそく行こうか」

 

私「ああ…」

 

組みあがったヒューマノイドの最終仕上げをする(YDollにパーツを組み込む際に切り込みを入れる為、そこの補修をしなければならない)為、我々は再度ユアーズ社へと向かった。

 

玉木「いらっしゃいませ、もう組み上がったのですか?」

 

私「ええ、この後の仕上げをよろしくお願いします」

 

玉木「かしこまりました、ファクトリーがこの近くにありますのでさっそく持って参ります」

 

私「あの…」

 

玉木「はい?」

 

私「そのファクトリー、見学させて頂けないでしょうか?」

 

松本「おい!いくら守秘契約を結んだからと言ってそれは図々しすぎるだろ」

 

玉木「あ、いえ構いませんよ」

 

私「ありがとうございます」

 

松本「うちのラボもまた改めてご案内しますので、いつでも申してください💧」

 

玉木「ありがとうございます、弓月もたいへん興味を持っておりますので、ぜひ後日お伺いさせていただきます、ではさっそく参りましょうか」

 

私「よろしくお願いします」

 

我々は玉木さんの運転のもと、ユアーズ社の車でファクトリーへと向かった。

 

玉木「こちらが弊社のファクトリーです」

 

ファクトリーは200メートル四方で高さは20メートル位のシンプルな建物であった。

 

玉木「二階は一部倉庫となっています」

 

松本「想像よりも大きいな…あ、失礼💦」

 

玉木「いえいえ、私もはじめてこのファクトリーを見た時そう思いましたよ」

 

松本「ははは…そうでしたか💧」

 

玉木「では中へご案内しますね」

 

私「はい、お願いします」

 

我々は入り口のエアシャワーでホコリを落とし、ヘアキャップをかぶってからファクトリー内部へと入った。

 

松本「こりゃ驚いたな…」

 

私「ああ…」

 

玉木「YDollが完成するまでの作業工程は48、その内18工程は手作業となっております」

 

私「手作業されている方は様々なのですね」

 

玉木「はい、弊社は熟練した職人さんという訳ではなく、どなたにでも3日ほどで作業ができる教育カリキュラムがあります、本来すべての作業をオートメーション化する事は可能なのですが…」

 

私「雇用も考えられている…」

 

玉木「ええ、やはり地域から愛される企業でありたいとの意思で、その様にさせて頂いております」

 

松本「しかしこう言ってはなんですが、製品が製品だけに雇われている事を知られたくない人も居るのでは?」

 

玉木「はい、ですので雇用者を守るといった意味で仕事内容を多言しないという契約を最初に交わします」

 

私「なるほど…」

 

玉木「とはいえ実際に他言したとしてもペナルティなどはありませんが…」

 

松本「まあ他言する人は居なさそうですよね」

 

玉木「はい、逆に仕事と割り切っている方が多いので、ご自身の仕事の中にやりがいを見つけられる方がほとんどです」

 

私「今は昔と違いプライバシーが守られていますしね」

 

玉木「そうですね、私もプライベートでは業務内容を話す事はありませんし…」

 

私「いや…懐かしいな…」

 

松本「ロボットアームか?」

 

私「ああ…もの凄く繊細な動きをしている…」

 

松本「さ、時間も時間だからベータ型の仕上げをお願いしよう」

 

私「そうだったな」

 

玉木「では、最終工程のセクションへ向かいましょう」

 

私「よろしくお願いします」

 

つづく