2030【25】
2030【24】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
僕「ん…う〜ん……」
アリサ「気がつきましたか?」
僕は医務室のような場所で意識を取り戻した。
僕「あなたは?」
アリサ「私はアリサ、こちらの専属医師です」
僕「え?あれ?」
アリサ「あなたは増谷さんのラボに着いてすぐ気を失ったのですよ」
アリサ「あなたが倒れてからまだ1時間も経っていません、今増谷本人がここへ来ます」
間もなく医務室の扉が開いた。
増谷「大丈夫ですか?」
僕はベッドから起きあがろうとした。
増谷「あ、いやいや、寝たままでいいですよ、アリサの話だと睡眠不足な上に強いストレスがかかって一時的に意識を失ったのだそうです」
アリサ「倒れられてる時に唾液をとらせていただきました」
僕「アリサさんって…」
増谷「はい、ヒューマノイドです」
Siri「倒れている間にキスされたのよ」
僕「Siriさん‼︎」
Siriさんも来ていた事に僕は気づいていなかった。
増谷「もう少し横になっていただいて様子をみましょう」
僕「それで……テレサはいつ救出に?」
再び医務室の扉が開いた。
三成「拙者も助太刀申す、村長殿どうかご安心を」
僕「み…三成さん💦あなたは、テレサを強制的に…」
三成「さよう…、が、それも不可抗力に対しての策故の事、どうかお許しを」
増谷「三成もアレクサもテレサと君の事を一番に考えてます、」
Siri「とにかく、テレサ救出作戦の指揮は私がとるから」
僕「Siriさん、よろしくお願いします」
Siri「あんたは足手まといになるからここで待機ね」
本来なら僕も参加したい、だがここは任せるしかないと悟ったのだった。
僕「はい…」
アレクサ「失礼します」
僕「アレクサさん!」
増谷「おかえりアレクサ」
アレクサ「先ほど検証が始まりました」
増谷「いよいよだな」
Siri「さて…ボチボチ潜入の準備にかかるか…」
三成「御意」
アレクサ「そうですね」
Siri「じゃあ再度説明するからふたりともBluetoothをオンにして」
アレクサ「はい」
三成「うむ」
大まかな作戦の内容はこうだった。
まずSiriさん、アレクサさん、三成さん三体でテレサの居る場所へ向かい、信頼されているアレクサさんと三成さんが潜入。
Siriさんは外から誘導する。
処分直前のテレサは厳重に警護されているが、それらはすべてヒューマノイドによって行われている。
三成さんはそのヒューマノイドをコントロールするサーバーがある場所へ、アレクサさんは警護してるヒューマノイドがスリープした隙をつき、テレサを救出する。
更なる詳細はSiriさんがアレクサさんと三成さんに指示した。
僕「ぼ…僕に何か出来る事はありますか?💧」
増谷「テレサは君と過ごした時間の記憶が断片的に失われている可能性がある、だからテレサを救出した後こそ君の力が必要だ」
アレクサ「なんとしてもテレサさんを助け出しますので、それまでお辛いでしょうが今しばらくお待ちくださいね」
三成「拙者も最善を尽くす故何卒…」
僕「どうかテレサをよろしくお願いします💧」
増谷「僕さん、少し食事をとった方が良いという診断だ、起きれそうかな?」
僕「はい…」
アリサ「ゆっくりでいいですよ…」
僕はゆっくりとベッドから起きあがり、アリサさんの誘導の元医務室を出て別の部屋へ移動した。
松本「僕君、具合はどう?」
僕「ご迷惑おかけしました💦」
アリサ「最後の食事はいつ摂りましたか?」
僕「えっと…」
アリサ「色々ショックもあったかと思いますので仕方の無い事ですが、食事と睡眠は不足すると出せる力も出せませんから…」
テレサが居た時は毎日バランスの良い美味しい食事が用意されていた。
それは僕の健康を考えての事で、テレサが居なくなったとたん、このようなザマになってしまった事に不甲斐なさを感じていた。
松本「腹が減っては戰はできぬ…僕君、食事にしよう」
僕「はい、いただきます…💧」
用意された食事は、ごくごく普通の和食であった。
ごはん、味噌汁、鯖の塩焼き、ほうれん草のお浸し、肉じゃがなどテレサが毎日作ってくれた様なメニューが並んでいた。
増谷「最近は簡単に栄養が摂れる食事が主流だけど、昔ながらのこんな食事はやはりいいものだな」
アリサ「野菜などは提携農家さんから仕入れているんですよ、お肉はソイミート、つまり代替肉を使用しています」
僕「とても美味しいです…」
アレクサ「ではそろそろ出発しましょう」
三成「御意」
Siri「行くか!」
僕「アレクサさん、三成さん、Siriさん、テレサの事…よろしくお願いします💦」
Siri「あんたにはテレサが帰ってきてから色々やってもらうから、充分に休んどいて」
僕「はい!」
そうしてアレクサさん、三成さん、Siriさんはテレサを救出するべくテレサが今いる場所へと向かった。
つづく