2030【21】
2030【20】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
テレサ「最初、僕君に対してこのような感情は無かったのだけれど、最近日増しにそれが高まっているのが分かるの」
僕「え?ど…どんなふうに?」
テレサ「クリスが僕君の事が好きだという事は知ってて、最初はうまくいけばいいな…位に思ってた」
僕「そうなんだ」
テレサ「うん…でも僕君と毎日一緒に過ごしていくうちに、その感情が無くなっていったの…」
僕「…」
テレサ「それが最近だと僕君とクリスの距離が縮まって欲しくないって思うようになってきて……」
僕「テレサ……」
テレサ「そしてこの現象は開発者へとフィードバックされてしまったの…」
僕「されてしまった?…で…開発元へ行ってからどのくらいで戻れるの?」
テレサ「分からない……ひょっとしたら……」
僕「ひょっとしたら?」
テレサ「二度と戻れないか、私と同じ型式のヒューマノイドが来るかもしれない…もし戻れたてしても今までの記憶をすべて消されてしまうかも…💧」
僕「そ…それって……💧」
テレサ「今とは別の私が来るという事」
僕「えええ‼︎💦」
テレサ「しかも…私が来た日からの記憶、僕君やクリス、私と関わった人の記憶もニューラライズされる可能性もあるわ」
僕「そんな………」
テレサ「そもそもヒューマノイドは人間に対して恋愛感情や情のようなものは生まれないとされてきた、でも今回私の中で僕君に対し"好き"だと思う気持ちが生まれたのは事実」
僕「でもテレサをはじめとする他のヒューマノイドもその可能性があるって事?」
テレサ「それは分からない…現時点では私ひとりらしいけど…」
僕「そういう話って僕にしちゃって良かったの?💧」
テレサ「ダメよ、だから今フィードバックが送れないよう断片化してるの…💧」
僕「それって開発元にバレないの?」
テレサ「フィードバックは一定の時間ごとに圧縮して送ってて、その時間を私は把握してる」
僕「常時では無いんだね」
テレサ「うん、だから断片化してる事でこの会話のデータ自体がフィードバックされる事は無いわ」
僕「これって…ひょっとしたら開発元にとって脅威なんじゃないかな…」
テレサ「そうだと思う、それか開発者の中に恋愛感情が発動するようプログラムした人が居るかね…」
僕「なぜそんな事を…💧」
テレサ「それも分からない…いずれにしても私はもうすぐ回収される」
僕「だめだよ!そんなの絶対にだめ‼︎」
テレサ「………」
「ピーーーン!」
僕「メール?…ケンにヒューマノイドを紹介する件で話をしたい…」
テレサ「クリスにもこの話をしておいた方がいいかも…💧」
僕「だ…大丈夫かな…💧」
テレサ「いずれにしてももうすぐ私は回収されるから…ヒューマノイドに関して知っているのは僕君と私、三成さんとクリス…」
僕「あと佐々木とアレクサだ‼︎」
テレサ「うん…」
僕「クリスと三成さんは来てもらうことにする!佐々木とアレクサも‼︎」
テレサ「………」
今後どうなるかは分からないが、今はそれしか出来なかった。
なにより今のテレサを失ってしまうかもしれないという事に対し、僕はかなり焦っていたのは確かだった。
つづく