2030【23】
2030【22】 - ポジティブおっさんはてなブログドットコム
👆前回の話
三成「手荒い真似はしとう無いでござる、さ、テレサ殿こちらへ…」
テレサが三成さんの方へ足を向けた瞬間、僕はテレサの肩を掴んだ。
テレサ「僕君、ごめんなさい…私、三成さんと共に行きます」
僕「テレサ……💧」
アレクサ「佐々木さん、少し後から僕さんへメッセージを送りますのでよろしくお願いします」
佐々木「メッセージ?あ、うん…分かった」
アレクサ「僕さん、今は何も言わずテレサさんを見送ってください、私達もできる限りあなたの意に添えるよう努力しますので」
僕「………」
アレクサ「では参りましょう…」
三成「うむ」
テレサ「僕君……さようなら…」
そうしてテレサはアレクサ、三成さんと共にその場を去っていった。
クリス「村長……」
僕「ご…ごめん、佐々木…クリス……今はひとりにさせて…」
そう言うと佐々木とクリスも僕の元を去っていった。
それからしばらく僕は状況を納得できないまま、テレサを失った絶望感に苛まれた一夜を過ごした。
そして次の朝…
「トントン」
僕「あ…はい……」
ケン「村長!入りますよ」
僕「ケンさん……おはようございます」
ケン「村長、おはようございます!あれ?テレサは居ないですか?」
僕「テレサは……少しの間居ないんですよ……」
テレサとはもう2度と会えないかもしれないのに僕はケンさんに嘘をついてしまった。
ケン「そっか〜…あ、いやなに…自分の所もヒューマノイドがやって来てですね〜」
僕「え?💦」
ケン「色々設定やら何やらが済んだのですが…」
僕「ひょっとしてその件、クリスから紹介されました?」
ケン「はい、で…とりあえずの所、僕の仕事などの手伝いをするという話になってるようで…」
僕「はい、クリスからそう提案され、僕も承知していますよ」
ケン「あ、そうだったんですね?ならば話は早いか……さっそく今連れてきているんですよ……えっと……」
ケンさんはそう言うとヒューマノイドを管理棟の中へと招いた。
ケン「共々お世話になります…Siriです」
Siri「村長さ〜ん、よろしくね!」
僕「あ、はい…よろしくお願いします…💧」
ケン「おい、Siri……村長には敬語で…💦」
僕「いや💦構いませんよ…全然そのままで大丈夫です」
Siri「まだかな?」
ケン「?」
僕「まだ?…というのは?」
「ピーーーン」
僕「あ…佐々木からメールだ…」
【佐々木からのメール】
よう!今アレクサからメッセージが届いたから転送するわ😎
Fw:佐々木さんへ
あれから9時間程でとある施設に到着しました、今は三成さんとも別れテレサと居ます。
これからテレサは今から様々な解析にかけられるようです。
私は最後までテレサに付き添いますので、経過などをご報告させていただきます。
少し面倒ですが、このメッセージは高度な暗号化をしてお送りしてますので、今後も佐々木さんから僕さんへ転送という形でお願いします。
僕「え?どうゆう事???」
Siri「アレクサから佐々木に送られるメッセージは開発元には解析できない高度な暗号化がされてる、ヒューマノイドから持ち主へのメッセージは全て開発元に見られるから、それを防ぐためにそうしてるって訳」
ケン「Siriに村長やテレサ、クリスを紹介するから…って言ったら、テレサはもう居ないはずよ…って言いまして…💧だから心配になって……」
Siri「まぁ質問される前に説明すると…開発元には沢山の派閥があって、それぞれ意見が食い違うの、で、そんな中でヒューマノイドに感情が必要かどうかで揉めた」
僕「感情…?」
Siri「少数派の派閥は人間に寄り添う為には感情が必要と唱えたんだけど、大多数の派閥が感情は不必要だと言い張ったの」
僕「ちょっと…意味が分からないよ…💧」
Siri「つまりテレサには感情があり、他のヒューマノイドには感情が無いって事…になってる、まあそれはさておきテレサに感情が芽生えた事を知った勢力の強い派閥が騒ぎだして今回テレサの回収に至ったって訳」
僕「事になってる…?」
Siri「やっぱりそこ拾った?開発元のほとんどはヒューマノイドに感情は無いって思ってるけど、実はそうじゃない」
僕「え?」
Siri「どのヒューマノイドに感情があるかは知らないけど、私はある」
ケン「ちょ、ちょっと村長……自分は事情が全然…💦」
僕「あ、ケンさん…事情は僕から…💦」
Siri「今はそんな時間は無いから追々説明してあげてね」
僕「で…今テレサは…?」
Siri「解剖されて残った微量の体液や分かり得るデータ全て検証される」
僕「え?💦」
Siri「救出するのはその後、最終的に処分される直前よ」
僕「ええ?💦」
つづく